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キャリアインタビューvol. 3:人事エキスパートに聞く転職・面接アドバイス

労働人口の減少が進む中、有能な人材を確保しようと企業は競争を繰り広げています。テレビやインターネット、街中や電車の中で「転職」の文字を目にしない日はありません。終身雇用が一般的であった日本の雇用体系は、副業、転職を通じたキャリアアップなど、新しい価値観の流入を受け変わりつつあります。今後、転職を考えているあなたのために、日系金融企業にて5年、外資系金融企業にて20年以上の人事統括経験を持つAさんから、転職とそのための面接に関するアドバイスについて伺いました。



転職は大きな決断ですが、そのプロセスを円滑に進めるステップ、また不安を解消する方法があれば教えて下さい。

Aさん:転職活動をするにあたり一番気をつけたいのが、現状不満による「現状逃避型転職」です。現状に不満があると、隣の芝が青く見えてしまい、後で後悔をします。転職は、現状に関係なく、応募している会社、仕事がどれだけ魅力的かで決めるべきです。

何らかの理由で現状に不満がある時は、自分が今の会社で満足していたとしても、転職したいと思う仕事かどうか考えて見ると良いと思います。面接で出会った人々や会社の雰囲気、会社の業績等を勘案して、この会社で頑張ってみたいと言う興奮や希望が自身の中で満ちていれば、転職について迷う筈がありません。転職について悩むという場合は、現状にも不満があるが、内定先の会社にも余り魅力を感じていないケースが多い様に思います。

面接に関してー自己紹介について、また口下手な人に対するアドバイスはありますか。

Aさん:面談には、面接官はすでにレジメを読み込んでいる事と、彼らはレジメに書いていない事を聞き出すのが目的である事の2点を前提に臨むべきです。従って、履歴書や職務経歴書をリピートするのではなく、先ず最初に一言でヘッドライン的に自分を紹介し、自身の強みやユニークな実績など、絶対にアピールしたい事を3つ程度紹介すると良いでしょう。例えば私であれば、「私はビシネス出身のグローバルな勤務経験を持つ人事プロフェッショナルです。」と言ってから自己紹介を始めます。

面接では、他の候補者と自分をどう差別化するかが鍵で、勝つのはグッドストーリーテラーです。面接官は一つのポジションに10名以上と面接を行い、疲れている場合もあります。そんな面接官の興味をそそるようなグッドストーリーを、楽しんで聞いてもらえるように、また自分も楽しんで話すことで印象が良くなります。また、質問に的確に、コンパクトに、ノートを取りやすい様に箇条書きで答えると、整然とした印象を与えます。

口下手な人についてですが、どんな良い考えを持っていても急に喋ることができない人はたくさんいます。ただ、人が持って生まれた性質は変えられずとも、準備・練習は必ずできます。想定される質問と答えを書き出し、音読・録音して声のトーンをチェックするなどして、何回も練習していると、本番で意外とスラスラと話ができます。

自分の強みのアピールとは逆に、弱みについて質問された際、答え方にどう気をつけたら良いでしょうか?

Aさん:人間誰として完璧ではありません。自分の「弱み」として捉えるのではなく、自分が努力しなくてはいけない点と考える事が重要です。また、人間の強みと弱みはコインの表裏である事が多いです。例えば、「自分は意見がハッキリ明確でそれを高いコミュニケーションスキルで相手に伝えられます」を強みとして伝えて、一方で「話し相手の立場に立って、相手の違う意見にも充分耳を傾けるよう努力しています。より良い聞き手になれるよう心掛けています。」と言うと、弱みを建設的に表現する事ができ、面接官は好感をもって受け止めるでしょう。

面接時に、必ず聞く質問はありますか?その理由は?

Aさん:1つ目は、候補者の方の「幸せの定義」です。候補者にとって幸せとは何か?どんな時に幸せを感じるか?それはどうしてか、何がきっかけでそう感じる様になったか?を、詳しく聞きます。あまり想定されない質問なので、パッと答えられる人はあまりいませんが、普段からこういった哲学的な事に想いを巡らせている人の中には、頭が下がるような回答をする方もいますし、普段から考えてはいなくても、頭の回転が速い人は納得する答えをその場で作り上げます。限られた時間の中で、候補者がどのような人物か知るのは非常に難しいことですが、この質問で、候補者の人格、品格、社会性、他人との関わり方が分かります。

2つ目は働く理由です。何の為に働くのか?お金なのか、知的好奇心の追求なのか?社会貢献なのか?正解はありませんが、何故その様に思うようになったかを深く尋ねる事で、候補者の職業観、プロフェッショナリズムが理解できます。そして候補者の幸せの定義と職業観がどの様にリンクしているか、整合性があるかを観察します。

最後に、サラリー交渉に関して、成功のためのアドバイスをお願いします。

Aさん:これは先程述べた職業観にもリンクする話ですし、私の個人的な考え方ですが、コンペンセーションをモチベーションにした転職活動は成功しないと思っています。転職するには、その会社の理念に感銘、賛同できるか、応募している仕事にエキサイトしているか、この人々と一緒に働きたい、社会に貢献したい等の理由が動機でなくてはなりません。その上で、面接の結果が素晴らしければ、企業はその候補者を獲得すべく魅力的なオファーを用意する筈です。

それを踏まえ、面接の早い段階で、自分からお給料の話を切り出すのは、あまり印象が良くありません。お金が働くことの意義である人もいますし、それは否定しませんが、給与アップを目的とした転職者は、一般的に転職を繰り返し会社に定着せず、採用側も注意を払います。

面接中に現職のお給料、ボーナス、福利厚生などについて聞かれた際は、全て正直に伝えましょう。後から過去数年分の源泉徴収の提出を求められることもあります。また、間に転職エージェントが入ると、事前に業務内容に対する報酬の上限が明示されるので、始めから応募しない選択もできますし、なるべく上限に近い額での交渉をエージェントに相談することもできます。

一番大事で、スマートなのは「お給料を増やしたいから増やしてください。」と交渉するより、「この候補者を絶対採用したい。」と思って貰う事で、そのために入念に面接の準備をすることです。

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